2018.05.24 Thu | US INFO
THE POWER OF YET
今回も、前回お話したGrowth Mindsetについて、もう少しお話しようと思います。
(前回のコラム→「大人も子供も!「Growth Mindset」!」)
先日、息子たちを迎えに学校に行った時、掲示板にあった文字にふと目がいきました。
「THE POWER OF YET」
これがその掲示板です。
そういえば、息子たちが、
♪The power of Yet, The power of Yet♪
と、家でも時々歌っているのを耳にしていたのですが、「何の歌なのかな~」くらいで、そこまで気にもとめていませんでした。
でも今回は、ちょっと気になったので、どんなことが掲示されているのかをチェックしてみることにしました。「THE POWER OF YET」の文字の下に、たくさんの紙が貼って、一つ一つの紙に、それぞれの生徒たち(キンダークラス)が、
「I can swim」とか「I can ride my bike」とか、自分たちが今できていることを2つ書いています。
その下には「I can not read」といったように、自分ができないことを書いているのですが、その文章の下に「YET」の大きな文字が。そしてさらに、「This is me when I learn」とあって、その横にできなかったことができるようになった時の自分の絵が描いてあるんです。
家に帰ってさっそくこの「POWER OF YET」の言葉を調べると、やはりGrowth Mindsetの主唱者であるキャロル・ドゥエック教授が、このタイトルでTEDトークもしていました。
Yet=まだ。
これはすごいパワフルな言葉だなぁと思います。
下の2つの文章を比べてみましょう。
「僕は泳ぐことができない。」
「僕は、まだ泳ぐことができない。」
最初の文章は、「泳ぐことができない」と決めつけていますよね。自分の能力の限界はここだ、と自分で自分に線引きをしてしまっている、典型的なFixed Mindset的発言です。でも、二つ目の文章は「まだ」という言葉を加えることにより、「今はできないけれど、将来はできるようになる」という意味合いを感じさせます。これはGrowth Mindsetを持つ人の言い方です。
ドゥエック教授は、TEDトークの中で、
「YETという言葉は、子どもたちに自信と、未来へと続く道を与えることができるのです」
と言っていました。
もしあなたのお子さんが、
「僕/私、〇〇ができないの。」と残念そうな顔であなたに話してきたら、ニコニコしながらこう言ってあげてください。
「まだ、できないだけだね」って。
Written by マレー上野真衣子