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2020.10.24 Sat | US INFO

アメリカで子育て |

思わず叫びたくなる一瞬ありませんか?―WHOの提案する「今この状況における子どもとの付き合い方」

 

 

先日、子ども達のコロコロ笑う声に誘われて洗面所に行ってみると・・壁に取り付けてあったタオル掛けを鉄棒に見立てて遊ぶ娘2人(3歳と5歳)を発見しました。声を失っていた私の前で、タオル掛けは壁と一緒にもろくも崩れ落ち・・怪我がないことを確認するなど冷静を装っていましたが、心の中では絶叫でした。思わず叫びたくなる一瞬、皆さんにもありませんか?

 

 

思えば、外出禁止令が下りてから子ども達の生活は一変しました。学校はオンラインに切り替わり、友達と気軽に遊ぶこともできなくなりました。外出時はマスク着用なので、気温の高い日は長時間の外遊びは困難です。親の買い物の同行もできないため、毎日狭い部屋で姉妹で遊ぶ程度。クラフトや家事の手伝いなど家庭内での遊びに一工夫しますが、互いの思いが一致することばかりではないのでちょっとしたことで苛立ち、泣いて、ケンカします。

 

(イラストはママスタセレクトから転用しています。ママの想像を超える子どものいたずら・・あるある!が満載のサイトです。)

 

子ども達の癇癪、ケンカ、いたずらといった一つ一つの事象は以前からあることです。でも、機嫌が直るまで時間がかかったり、いたずらの度が過ぎる感じは、先行きの見えない閉じこもり生活のストレスが影響していると感じます。そして、保護者としての私には、思わず叫びたくなったり、長いため息が漏れる一瞬が増えました。

 

 

WHOは全世界の保護者に向けて「今この状況における子どもとの付き合い方」を提案しています。毎日叫び続けていた私を見ていたかのように具体的な提案をしてくれたので、ここでご紹介します。

 

もし叫びたくなる出来事が起きたら・・まず、10秒間止まって考え、ゆっくり深呼吸を5回! とてもシンプルな提案ですが、根拠があります。子どもたちに、自身の行動の責任を自覚させ自制心を持たせることが親としての大目標と考えると、怒鳴ったり叩いたりして即時的に反応するのは間違えだと気付きます。子ども達に今起きたことを冷静に伝え、理解が得られたら挽回のチャンスを与える。そして、「1対1の時間を持つ」「良い行いを褒める」「一貫した日課を作る」といった日々の工夫が親子の信頼関係を築き、結果的に子どもの悪い行いを減らしていくとのこと。親自身のストレスマネジメントについても具体的な提案があり、私自身、1日1回はある「叫びたくなる一瞬」が怖くなくなりました。皆さんも是非ご一読下さい!

 

このブログは、4月23日にJPS Groupサイト内にアップした内容を、一部、加筆修正したものです。

Written by 長沼仁美

長沼仁美

心理学博士、ハーバード大学公衆衛生学修士
公認心理師・臨床心理士・MBTI認定ユーザー
JPS Group(日本人・日系人子育てサポートグループ)共同代表
渡米後、地域援助のNPOで電話/メール相談やアウトリーチ活動に参加し始め、Social capital醸成の一端を担う、がライフテーマになる。2児出産後、EAP電話およびメール相談に従事しつつ、研修や執筆を通して企業のメンタル不全予防啓発および子育て支援に尽力している。JPS Groupでは子どもの心のケアのページを担当。サイト内でブログも随時更新中。

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