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2020.09.07 Mon | US INFO

アメリカで子育て |

パンデミック中の子育てで親がすぐにできる6つのセルフケア

 

 

2015年のTED Talkですでに次の疫病という脅威に対する準備(ワクチンの開発や製薬への投資)の必要性を訴えていたのはゲイツ財団のビル・ゲイツ氏でした。アメリカでは今後も、オンライン教育やリモートワークのために家で家族と過ごす時間も増えそうです。そのような中、子どもや他の大人の世話をする前に、周りの皆にとっても一番大事なのは、自分の心身を健康に保つこと、つまりセルフケアです。ここにすぐにできそうな6つのセルフケアをまとめてみました。

 

親がすぐにできる6つのセルフケア
その1:運動する
その2:できるだけヘルシーな食事を摂る
その3:マインドを穏やかに保つことをする
その4:きちんと睡眠を取る
その5:以上全部できなくても少しでもできたら自分を大いに褒める
その6:専門家に相談する

 

では1つ1つ詳しく見ていきましょう。

 

その1:運動する
毎日30分から1時間ほど、あるいは1日数分でもいいので、自分のための時間を設けましょう。オンラインでヨガやズンバなどのクラスのビデオやラジオ体操を利用して運動します。人混みを避けられそうなら、散歩、ハイキング、バイキングをします。子どもと一緒に運動するのも楽しさが増すかもしれません。

 

その2:できるだけヘルシーな食事を摂る
体内の炎症を悪化させてしまうので、できれば加工食品や精製糖が多い食品は避けましょう。

 

その3:マインドを穏やかに保つことをする
ヨガやメディテーション(瞑想)(呼吸を意識)
ストレスを軽減すると言われるヨガのポーズや呼吸法はThe Harvard Medical School Guide to Yogaという本にもありますが、Headspace、Meditation OasisやInsight Timerなど便利なスマホアプリも出ています。また、カルフォルニア州立大学ロサンゼルス校(UCLA)にはUCLAマインドフルネス・アウェアネス研究センター(UCLA Mindfulness Awareness Research Center)という研究所があり、複数の音声ガイド付きメディテーションがサイトに載っています(英語とスペイン語)。

気が散ってメディテーションすることができない時は、自分の呼吸に集中する、部屋の時計の針の音に集中することをお奨めします。特にアイアンガーヨガは、メディテーション効果もあるのではないかと思います。この種のヨガではポーズを繰り返し練習することでマインドの意識を体のすみずみや呼吸に向けることができるようになり、邪念が消えやすくなり、充実感を感じられるようになります。

 

家族・親戚や良き仲間と定期的にバーチャルでも電話でも語る

 

短い日記に自分の気持ちを書き留める
日記は自分の中に溜まっているネガティブな気持ちを客観視し整理できるいい機会です。自分の本質に立ち戻るために自分が一番幸せな時はどのような時か自問します。「自分がかけているメガネ」あるいはフレームによって見える世界が変わってくることを確認します。「ネガティブメガネ」は自分から外し「ポジティブメガネ」にかけかえましょう。

 

罪悪感をためない・自己批判をしすぎない
自分ができたことについて自分自身を褒めます。うまくできなかったことは反省してもいいですが、自己批判に終始しません。

 

これらが自分に適していない場合、
お料理・お菓子作り・(自宅待機が必要な場合はオンラインでの)良質な映画(このJPS Groupサイトの「家族用オススメ映画」ページも必見!)や音楽などの芸術鑑賞・ウォーキング・縫い物・編み物・工作・家族でのボードゲームなど、何でも自分を穏やかに深呼吸しながら楽しくその活動に没頭させてくれるものなら何でもOKです!

 

その4:きちんと睡眠を取る
8時間睡眠を目指します。多少家やキッチンが荒れていても寝る時間になったら寝床に行きます。また、子どもにも重要ですが、短いベッドタイムルーティーン(就寝前の行動は毎晩同じに保つこと)を作ることです。(大人の場合は、眠くなっていい本を読む、ストレッチ、ヨガなど。子どもの場合、歯磨き・部屋の明かりを少し暗くする・本の読み聞かせなど)。
寝る直前に避けたいのは、食べものやカフェインなどの刺激物、アルコール(睡眠の質を低下させる作用があるので)、iPhoneなどのタブレットを見ること、ネガティブな感情を引き起こしそうな情報に触れること。

 

その5:以上全部できなくても少しでもできたら自分を大いに褒める
今のような異常事態が日常になっている親にとっては大変な時期です。少しずつ新しい環境に慣れ、学びつつ、自分が一番やりやすい方法で取り組みましょう。自分が少しでも前進できたなら、大いに自分を褒めることを忘れないようにしましょう。

 

その6:専門家に相談する
もしいろいろな対策を取っても不安感が強い場合は、ためらわず早めに専門家に相談しましょう。

 

こちらのJPS Groupのサイトの「子どもの心のケア」ページには、「子どもと大人を守る生活リズム」や「コミュニティの危機と心のケア」や「こころの相談先リスト」など便利なリンクがたくさんあります。ぜひ参考にしてみてください。子どもと大人を守る
生活リズム
子育て世代には特に大変な時期ですので、これらのセルフケアを毎日実行できなくてもせめて心がけるようにすれば心身ともに少しずつ変化が見られるでしょう。自分の心身の健康あっての子育てです。まずは自分という人間を大事にして下さい。

 

参考文献

Harvard Health Publishing, Harvard Medical School. Harvard Health Blog.

Self Care for the Caregiver by Marlynn Wei, MD, JD

ロサンゼルス校(UCLA)にはUCLAマインドフルネス・アウェアネス研究センター(UCLA Mindfulness Awareness Research Center)

 

Written by 渡邊理佐子

渡邊理佐子

日本人・日系人子育てサポートのJPSグループ共同代表
JPSグループ
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ハーバード大学教育大学院(教育学修士)修了、ペンシルベニア大学行政大学院(行政学修士)修了、上智大学文学部(英文学専攻)卒業。成人の発達心理学・リーダーシップ教育研究者/リーダーシップコーチ。慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(KGRI)客員研究員。ハーバード・メディカルスクール付属マクリーン病院コーチング研究所(IOC)フェロー。マサチューセッツ工科大学(MIT)にて探求型学習やアクティブラーニング教授法を利用した理数科教育プログラムに携わった後に、日米の高等教育機関と成人の発達度測定に関する共同研究を行っている。